【教材】社会福祉協議会のBCPにつなげる「災害初動対応訓練プログラム」

都内社会福祉協議会で大規模災害に備えて初動対応訓練のプログラム開発とアドバイスを担当させていただきました。プログラムの流れや訓練で使用したPowerPoint、訓練のようすなどをご紹介します。

 

はじめにご確認ください

このプログラムは都内社協さんのご協力により作成しました。実施環境の目安は2~30名程度の職員を対象に、2時間程度です。発災初日~非常参集時の訓練、非常参集~マニュアルに基づく緊急対応班編成~災害対策本部の設置までを想定しています。

訓練目標は大きく以下の3つに整理されます。どの点を重視するかは担当者・責任者の判断で行ってください。

  1. 非常参集後の災害情報収集を行い、必要な情報を適切に整理・報告できる。
  2. 災害対策本部設置に必要な環境、情報を説明できる。
  3. マニュアルに記載された各緊急対応班の役割を理解し、具体的な作業を示すことができる。

訓練で使用する場合は各地区での被害想定、防災・ハザードマップ、社協内の災害対応マニュアル等に基づき内容を編集してください。その他、ご不明な点やご要望、改善案などがあれば作者までお気軽にご連絡ください。

なお、災害ボランティアセンターの運営やボランティア対応については別記事で教材等を公開しています。

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訓練用スライド

訓練イメージをつかんでいただくためのスライドを公開しています。なお、スライドだけでは分かりにくい部分がありますので、後述するプログラムシートやワークシート、準備物品をダウンロードしてご確認ください。スライドのPowerPointデータが必要な方は、公開の便宜上削除している部分も含めてご提供いたしますので、お気軽にご連絡ください。

訓練プログラムについて

訓練のプログラム案や災害情報をまとめるメモについては個別にご連絡いただければご提供しています。お問い合わせフォームからお気軽にお知らせください。具体的な流れや、項目を企画書形式でまとめています。社協のBCP訓練等にもご活用いただけます。

 

訓練のようす

実際に実施した際の様子をご紹介します。

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こちらは2回目訓練(発災2日目、総務班の話し合い)のようすです。マニュアルに記載された総務班の業務内容に基いて話し合いを行います。職員によって災害に関する知識や経験、マニュアルの理解度は異なりますが、この訓練を行うことでマニュアルはもちろんですが、他の職員と知識・経験、意見を共有することができます。職員の意識啓発や、マニュアルの課題洗い出しにもつながります。

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訓練講評です(字が汚くて申し訳ありません…)。初動参集では1人がいろいろな仕事をしなければならない場面があります。「ラジオの情報が重要だから」と全員で画面に見入ってメモをしていても、記録される情報が重複するだけでムダになってしまいます。かといって、1人だけに任せているとその人が聞き逃したり、迷ったりしていると情報を取り逃します。その場にいるメンバーでの役割分担が重要です。

「決断すべきこと、しないこと」というのは、災害時はいろいろな情報が入ってくるものの、初動の時点で対応することが難しい情報もあります。初動であっても、その時点での対応は間違いなく「社会福祉協議会の対応」として対外的には認識されます。災害ボランティアセンターの設置・開設・広報タイミングなどは、現場判断ではなく管理職も含めた、組織としての対応が望まれます。

まとめ

訓練後に改めてマニュアルを見ていただくと『なんのためにこの役割(班や係)があるのか』や『管理職がいないときはどうすればいいか』、『被災時も優先的に継続すべき業務は何か』といった、現実的に対応するにあたって重要なポイントが次々と出てきます。

まとめの要点は講義スライド最終ページに記載してありますので、併せてご覧ください。組織的な活動の必要性、災害情報の収集・伝達とコミュニケーション、継続的な訓練の必要性などが伝わるとよいかなと思います。訓練教材の編集や作り込みについては、できる限りご協力させていただきます。

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